ビジュアル 戦国1000人 ―応仁の乱から大坂城炎上まで乱世のドラマを読む |
私は昔、本書の著者である小和田哲男さんが監修した、戦国時代の大きなマンガを読んで、戦国時代に引き込まれて行きました。それがきっかけで親からも、学研の本書のような網羅的で、小学生にも分かりやすい戦国百科的な本をプレゼントしてもらいました。その本は、記述的な面が強かったのですが、何十回と繰り返し読んだその本は、一生の宝物です。歴史学専攻にまではならなかったけど、その延長線で歴史読本を講読したりして日本史の本を良く読むし、旅先では戦国時代の史跡を廻ります。
本書は、数ある類書と比べても、ビジュアル的な魅力がとても詰まっています。肖像はもちろん、様々なデータがあり、カラフルなページだらけで、値段以上に豪華です。小和田さんだから、記述はしっかりしていて、どんどん戦国時代の魅力に引き込まれます。書店で見たときは、小学生のときの感動が甦ってきました。小和田哲男と「戦国1000人」というタイトルの組み合わせは、魅力的過ぎます。歴史に興味が無い小学生に、この一冊をポンとプレゼントしてみたら、たちまち歴史好きにしてしまうと思います。戦国武将の肖像画を見て、ハマらない日本人がいるのでしょうか。小和田さんは、大学にいるという事もあるのか、人を歴史好きにするツボを心得ているんだと思います。 くどいようだけど、私にとって一番嬉しかったのは、小和田哲男さんの作品だったこと。小和田さんは、NHK大河「天地人」の時代考証も担当しています。NHKは基本的に、戦国時代が舞台なら、小和田さんに時代考証を任せるのが定番の様です。小和田さんが時代考証をしている大河は「真面目」です。当時の常識などをちゃんと反映させるので、大抵の事をすでに押さえている歴史玄人でも楽しめます。大河ドラマは、ドラマ性と時代考証のバランスが難しいので、ドラマ性を優先させ過ぎる余り、見る気を無くしてしまう作品さえありましたが、小和田さんのものでは、問題ありません。話が進んで行く毎に、大河の時代に引き込まれます。小和田さんは戦国時代に関する新書などの書籍も多いので、大人ならそれらも読んだ方が良いと思います。というより、歴史好きなら読まないのは勿体無いですよ。 歴史は人から入るからこそ、面白いのだと思います。この本の紹介でも書いてあることです。学校教育の日本史は、人について名前以上の事を、殆ど教えません。私は小学生の時に、先に挙げた二冊の接続で読み漁った小和田さんの本に導かれ、歴史上の人物の人生を知る事から、知識と更なる好奇心を深めて行きました。「歴史とは人なのだ」と分かっていたからこそ、ずっと歴史好きが続いているのだと、本書を読んで改めて実感しました。 |