正岡子規 子規堂 正宗寺
野菊の墓 [DVD] |
懐かしさで胸がジーンとして、DVDを買うとすぐ、立て続けに二度鑑賞しました。
妖艶な聖子姫へと転身してゆく以前の、あどけなさの残る聖子ちゃん。田舎娘の民さん役にぴったりだと、改めてそう思います。無邪気で明るい民さんの笑顔が次第に減ってゆき、思い詰めた顔、忍び泣きする姿を見ると、こちらまで胸がギュッと痛くなります。 小糠雨降る船着場での別れ、花嫁行列での別れ、そして迎える永遠の別れ。三度の別れにおいて、結局民さんの言葉は一言もなく、そこがまた泣けてくるんです。 鬼のような姑の仕打ちにじっと耐えながら、健気に働く民さん。辛さをただ我慢するだけの嫁入り。こんな酷い、悲しい結婚、今の時代にはまず無いでしょう。封建的な村社会に対して、喚き散らしてやりたい憤りを、ある部分では強く感じました。 しかし、規律やしきたりを重んずる時代だからこそ、純粋で美しい心が育つのかも知れないと、そんなことまでも考えさせられました。他人の迷惑も顧みず、自分さえ楽しければよいという昨今。今こそ、この作品を観て素直に泣ける気持ちを大切にしたい。そして、純な“民さんの心”を忘れずにいたいと思います。 |
野菊の如き君なりき [VHS] |
伊藤左千夫「野菊の墓」は、何度も映画化されているが、なんと言っても一番秀逸なのは、モノクロのこの版である。 ヒロイン民子役の少女の可憐さ。 周りの人の思惑に、無残につぶされた幼い恋。 中でも泣けるのが、今は老人となった正夫が、「死ぬ前に一度」と舟で故郷におもむく、という設定である。 この人は、敗戦もくぐりぬけ、何とか今は人並み以上の暮らしをしているだろうに、そんなになっても、忘れられない、何十年も前の悲しい恋なのだ。 |
野菊の如き君なりき [DVD] |
誰もが今のように自由に生きられなかった時代、昨今のお手軽な恋愛事情とはまるで違う、純粋な愛に感動。
お互い相手のことを思いつつも、手を握るどころか、思いを口にすることさえも許されず、ただそれぞれが、思い続けただけの二人の悲しい運命。最後のシーンでは、涙というよりは嗚咽してしまいました。笠智衆、浦辺粂子といった名脇役が若い頃から老人を演じていたのにも驚く。「今日はひとりで泣くぞ〜」というときにはぴったり! |
野菊の墓 (新潮文庫) |
あまりにも切ない物語に、ラストシーンでは年甲斐もなく涙がこぼれた。感動する小説というものは世に多いが、本気で泣いたことさえが嬉しいくらいに泣けた作品は今までにこれを含めて数本もないだろうと思う。最近読んだ明治時代近辺の浪漫的な作品の中で、自信を持って人に勧められる作品はまず、これ。文学的な必読という意味ではなく、全ての人に読んで欲しい日本文学屈指の名作だと自分は感じた。
所謂、叶わぬ恋。幼なじみの関係からお互いに愛し合っていると意識し合うまでになった主人公とヒロインの成長の過程と世間的な風評を恐れて離れていってしまうすれ違いの関係が主な筋。前半部の主人公達の普段の生活は微笑ましく、自身がまるで物語の中に入り込んだように楽しめた。いたずらをし、またされる関係はありふれてはいるものの、読んでいると美しさがあると感じさせられる。お互いの感情は愛を認めあうまでになるが、世間の風評が邪魔をして徐々に離れていく二人の関係。遠く離れていってしまった人への恋慕の想いが限界までに達したときには、すでにその人は泉下の人となっていた……。クライマックスを超えての著者の心憎い手法には、心を揺り動かされるを得ない。今、思い返してみても胸に熱いものがこみ上げてくる。繰り返して言うのも何だが、本当に感動させられた。 読んで見て欲しい。片田舎の広々とした風景がそこの中に埋もれていった一つの恋物語と共に、鮮烈に意識されるはずだ。 |
野菊の墓 (SDP Bunko) (SDP Bunko) |
表紙と巻頭の8ページがユイカさんのミニ写真集となっています。
368円と廉価ですので、表紙を入れて6ショットの写真目当てに買うのも悪くないと思います。 表情は笑顔もありますが、全体的には物憂げで、今にも泣きそうな最後のショットが印象的 です。 服装・髪型等は表紙の写真と同じです。表紙の雰囲気が気に入ったら「買い」でしょう。 もう少しバラエティに富んでいるとさらに良いですが、おすすめです。 小説本編も適度な字の大きさで読みやすいです。 |
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