渡る世間は鬼ばかり
夫婦の格式 (集英社新書 451C) (集英社新書) |
著者の夫君(元TBSプロデューサー)は昔の男(1929年生まれか)であるから、
妻に「ありがとう」なんて言わない。 誕生日プレゼントもあげたことがない。 新婚旅行初日から現地で接待され午前様。 しかもA型人間の典型で帰宅するや掃除の出来にも文句を付ける。 そんな夫君が逝去したとき、著者はこれで夫君が自分だけのものになった、と安堵したという。 浮気していないか、きちんとご飯食べているか、事故に遭ったりしていないか、 等々、心配で仕方なかった。でも、もうこれからはわたしだけのものなのだ、と。 そして20年を経た今も、 「彼は、今も、私と一緒にいる」 「ずっとそのまま、ごくふつうに、わたしのそばにいる」と言い、 夜中に「ご飯作らなきゃ」と飛び起きることもある由。 そんな深い夫婦愛に打たれた。 正直に告白すると、私はこのくだりを読み電車の中で涙した。 人生の先達の言葉は重い。 勿論、現代では通用しない部分もあるが、それも含め心して読みたい一冊である。 |
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