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落合信彦 アサヒスーパードライ CM 1988年




戦いいまだ終らず (集英社文庫)
落合氏が初めて日本を舞台とした小説。

造船会社を実話をモデルに戦時中から高度成長期と長い時間をかけてストーリーが展開していく。

特に主人公の人間のスケールの大きさには学ぶところが多いほか、終戦後の兵士の心意気には涙を禁じえないだろう。


 

モサド、その真実―世界最強のイスラエル諜報機関 (集英社文庫)
 これを読んで思うことは、もちろんイスラエルの国家存続への執念と、そのために果たしたモサドの役割の大きさを実感することなのだが、では今の日本はどうなってるの? ということではないか。
 日本にもこれに相当する機関がないわけではない(内閣調査室)。そしてそれなりに活動しているという噂も聞くのだが、果たして有効に機能しているのだろうか、という感を抱いているのはわたくしだけではあるまい。むしろ、今はその諜報が国内に向かっていて、辻本清美、鈴木宗男、そして橋本龍太郎といった「都合の悪い人物」を失脚させるために誰か(書かなくてもお分かりだろう)が独占的に使っている、という印象を抱かざるを得ない。
 著者も言っている通り、問題なのは情報の質だけではなく、それを有効に利用するための政治決定なのだ。残念ながら、今のわが国では、諜報(というか、情報収集一般)に対する認識と、それを利用する頭脳と、両方が欠けていることは否定できないだろう。
 「人の振り見て我が振り直せ」ではないが、単にイスラエルを描いた本として読むだけでは著者の意図にも外れることになりはしないだろうか。

 

千秋の讃歌
米国が極秘で進める最終兵器の開発計画「オメガ」をめぐる男達の熱い駆け引きやアグレッシブな行動が面白かった。

かなり長い作品だったため、完読に数日を費やしたが、途中でパターンが読めてしまったのが残念である。というのも、これまで氏の作品は殆ど読破している中で、「このパターンは過去の作品にもあったな」と思われる箇所が多かったため。

ただ、全体的には国際的舞台をベースにした、かなりスケールの大きい話で、読後感は悪くはなかった。落合氏の売りはこの点にあると思うので今後もこうしたスケールの大きいテーマで読者を楽しませて欲しい。

 

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