本物の大人になるヒント―知っておきたい「良識ある人間」の考え方 |
今風に言えば「大人の品格」などというタイトルになるのでしょうが、世間に迎合しない著者はそのようなタイトルにはしないのでしょう。内容は、著者にしか書けないような重みのあるもので、心にずっしりと響きます。各項は1〜2ページなので、読みやすいです(寝る前など最適)。少しでも「本物の大人」になりたいと考えていらっしゃる方にはお薦めです。なかなかなれないとは思いますが、少しづつ近づいて行くことはできるかも知れません。
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日本人の矜持―九人との対話 |
本書は著者と齋藤孝氏の対談のみでも十分に一読の価値があると私は思う
教育というものは常に日本だけでなく世界的にも懸案材料であることは間違いないだろう しかし、近年稀にみるほど日本の教育ほど堕落し多くの問題を抱えているものはないのではないか!? それが日本の教育に対する私の率直な感想である まず道徳や修身といった倫理観を育むことが無くなったことによって、”愛でる”という感覚を我々は忘れてしまった 現代の子ども達は、彼ら彼女らが怪物(モンスター)ではなく、彼ら彼女らを育てる、もしくは育てた親や教育者たち、ひいては国家の失敗である 日本人として母国語をまともに読み書きできない者が溢れている これを楽観視する無知蒙昧な人たちによって現代の国家は運営されている 焦眉の急は英語教育なんかではない・・・国語教育の復興こそが焦眉の急である 英語ができることが国際人の証ではない もちろん世界の共通言語として英語を操れることは国際人に必要な素養の一つであることは間違いないが、英語はあくまでツールであり、その英語を駆使して話す内容、要するに日本人であることのアイデンティティの生成にこそ最も重点が置かれるべきなのだ このような意見をいえば、多くの批判にさらされるだろう しかし今声を大にして言わなければ、最早国家として日本は保てないところまで日本はきているといえるだろう 私は自分を憂国の士を気取るつもりはさらさらないが、少なくとも自分が日本人であることを誇りに思っている 歴史を学び、偉大な先達に対して尊敬の念を抱いている 本書は対談集であるからやや冗長的な箇所があることも否めないが、而して自分が日本人であることの誇りを思い出させてくれる 自分を卑下し、家族を卑下し、郷土を卑下し、国家を卑下する人たちにはぜひ一読していただきたい! きっと”誇り”を忘れて生きることほど哀れなことはないと悟らせてくれることだろう |