未映子 - 悲しみを撃つ手
うちにかえろう~Free Flowers~ |
川上三枝子さんは未映子と名前をかえて、「瞳バイブレーション」「はつ恋」などの新曲を出してますよ。つい最近も「夢みる機械」というアルバムCDが出たばかりです。 この「うちにかえろう」のジャングル・ブギーなんかもエネルギッシュでよかったですが、新作はバラード調の違った魅力でいい感じなんで、おたけさんもぜひ聴いてみてくださいね。 |
乳と卵 |
この本を読んだだれもが、おそらくほとんどの人がまず感じるのは読みにくいということであり、最初の方のページでは助詞なのか単語の尾っぽなのか分別つかない「て」とか「は」に苦戦しながらも、せっかく身銭を叩いて買ったんだから、つまんないと思ったら片っ端から本を捨てるということのできる文学研究者のような身分では自分がないのだからということを思い返して、頑張って読み進めていったら、だんだん文章には慣れてきて、でもこの小説の空気感というか世界観っていうのは、この口語調に特化した関西弁の語りとは切っても切り離せない間柄であり、この語りでないと醸し出せないものもあるだろうなぁ、もしこれを標準語にして書いたら間違いなく死んでただろうなということも思えてきて、こういう関西弁を読めるリラシーを我々読者が身につけたのも、ひとえに関西のお笑い芸人がテレビに毎日映ってくれている今のような世の中のおかげだなぁということに気がついたら、改めて明石家さんまとかダウンタウンに感謝したくなってくるのだけれど、それとこの小説とは全然関係ないないと、もう一回集中力を高めて本文に集中すると、成熟したくない娘と、成熟したままでありたい母の、その二人の葛藤があって、思っていたよりおセンチな話であり、心温まる話であり、芥川賞というのも捨てたもんではないなぁと思い、小説をまねてレビューを書いてみたのだが全くうまくいかなかったのである。 |