カツヒコの 悪女
![]() 武満徹SONGS見えないこども |
全16曲いろんな変化があり、したたかな表現力で歌われ、何回聞いても飽きさせません。 武満独特の味とニューミュジック的な味を上手くミックスさせています。保多さんは東京芸術大学卒とあって、クラシックの発声も十分勉強されているはずですが、そういったものとは一線を画して、積極的に発声表現ともに崩して歌って入るところが「新鮮」です。 「武満」とか「声楽曲」といった「難解さ」や「高さ」は全くなく、歌の好きな人ならどなたでも聞き入ると思います。 あえて言えばCDの題名になっている、3番目に入っている「見えないこども」がやはり秀逸でしょうか。 最近発売されている邦人の歌曲CDとしては最高だと思えます。 録音もエキサイティングで「音」や「声」を聞く人にもお勧めです。 |
![]() Thank you my gi |
ドラマ『悪女(ワル)』の主題歌として採用されたラビットの番外編とも言える曲。ロックなのかポップスなのか、あるいはバラードと呼んでいいのか・・・。ジャンルに苦しむ曲だ。ただ、曲の仕上がりはスマートにまとまっていて、男心が切なく募る歌詞は見事。アコースティックで始まるイントロが実に美しい。 |
![]() Best Pieces |
私は、そもそも「エヴァンゲリオン」を見ていなかったので、 当時のチャートを見て、高橋洋子が歌っているあにめ主題歌を見て、 「ああ・・・私が好きな歌手と同一の名前の人がいる」と、 本気で思っていたバカである。 そもそも私が知っていた高橋洋子は、 人が必ず通り過ぎる若い時代や、それに伴うまわりの景色を歌う、 そういうアーチストだと思っていたので。 ・・・なので「魂のルフラン」のような、強い意志を持った曲は、 全然違う人だと思っていたのだ。 しかし、ある時同一人物だと知って、かなりびっくりした。 このベストは、そのあたりの時期に買い求めたものだった。 やはりいい・・・非常に良い。 もともと、歌の表現方法が、ものすごく卓越されたものがあり、 音の取り方も非常に良い人だったので、 どの歌も聞かせどころがあって、しかもうまい。 このCDは「残酷な天使のテーゼ」が、オケもボーカルも、 録り直しになっているが、歌い上げのタイプの曲だったこの曲を、 見事に新たな形に消化している。 それ以外の曲はkittyレーベルのときのシングルが多いが、 こっちも非常に良い。 きれいな詩と曲が、すんなり入ってくるし、 ボーカルが非常にていねいで、聞いてて気持ちの良いCDである。 |
![]() 悪女について (新潮文庫 (あ-5-19)) |
有吉佐和子って・・・すごすぎる・・・。と思った本です。彼女の作品で初めて読んだのが、「悪女について」です。
27人の関係者が、主人公の女性について語ります。関係者27人のセリフだけで、物語が作られていきます。当然、27人がそれぞれ個性的です。それぞれの証言により、主人公の人物像が浮かび上がってきます。 けれど、注目すべきは、各々によって主人公の人物像は違うこと。関係者の口から主人公の言葉は出てきますが、主人公が何を考え、何を思っていたのかは分かりません。 一人の人間は、ウラもオモテもあり、人の評価もあてにならないことを感じます。 主人公が「悪女」かといわれれば、そうでもないと思うのです。浮かび上がる人物像は、全て他人の印象ですから。 それを小説として昇華しきっているところに、有吉佐和子のチカラが出ていると感じました。 |
![]() 世界の「美女と悪女」がよくわかる本 (PHP文庫) |
歴史上の絵、写真も全てイラストに書き直してあるのだが、微妙。
イラストとしてのクオリティーは高い(手足の長さがおかしいといったデッサン崩れは多いが)のだが、実存する絵画があるなら、そちらを使った方がよかったのでは?と思う。 一応、美女と悪女を分けてあるが、史実的に「美女」であったという記述のない人物も、行為の美徳で入っていたり、「傾城」は普通美女だが「悪女」に入っていたりと、そこらへんはかなりいいかげん。 チンギスハーンの第一夫人や、フリーダ・カーロなど、近年再発掘されているような目新しい女性も載っているが、ジャンヌ・ダルクなどの周知の女性に対して、近年わかってきている記述の追記はない。 基本的に残酷なことやグロテスクな記述は避けて書かれているので、よみくちは軽いがそれ以上はない。 |
![]() 悪女入門―ファム・ファタル恋愛論 (講談社現代新書) |
ファム・ファタルを種類わけして説明し、且つそれを題名のように、入門書として説明してるスタイルがこの本をより読みやすくさせています。文章も巧みで、その原作が非常に気になります。
ただ、題名の「悪女」はいただけないのではないでしょうか。 著者も作中で、「ファム・ファタルは悪女ではない」とおっしゃってますし。 そして、最後の方の女性はちょっと無理やりファム・ファタルに押し込められたかな、という観もあります。 いずれにせよ、フランス文学の紹介本としても楽しく読める本だと思います。 |