墨東綺譚 [DVD] |
長い間続いたatgのラスト作品であり、ヘアー解禁映画でもあります。映画の時代の流れとドラマの時代の流れが、何と無く似ています。墨田ユキの肌とヘアーが、とても美しい。 |
墨東綺譚 [DVD] |
遊郭に
「世の中の真実がある」というスタンスで映画が進行しますが 「遊郭に身を落とした人間は結局は幸せになれない」という結末を持ってくるあたり、見ていて少し辛い。ここを最初と最後に出てくるストーリーテラー役の「作家」にうまく語らせているところはうまい。 この映画のよさは、そんなところではなく、何気ないせりふが、かなり粋だったり、男と女、はいつでもどこでもそんなに変わらないということを語っている点です。 山本富士子さんの、引っ付くくらいの、男にまとわりつく愛情の表現はすごく良い。それが一番の見所です。あれくらい素直な愛情表現ができるといいねえ。 |
あめりか物語 (岩波文庫) |
この小説の魅力は、ひとつには荷風の抜群の観察力と文章力の高さが上げられると思いますし、もう一つにはアメリカでの荷風の生活のみならず、当時の移民がどのような生活をしていたかを各章の端々からうかがい知ることが出来るという点です。
スクールに通って米国人小学生と一緒に英語で授業を受ける日本人、米国人の使役労働者(召使い)として働く日本人、あるいは夫婦で移民して妻だけが女郎として売り飛ばされる話を聞いたという箇所などは、当時の日本人が艱難辛苦の生活をしていたことを物語っています。 その後の様々な苦難を乗り越えた結果、今日の日系社会が存在しているということを思うと、感慨深い物があります。 荷風の目を通して、アメリカへ移民した日本人の生活の一端を知ることができる点でもこの作品は興味深い作品であると思いました。 |